胃内視鏡検査を受ける患者様へ
内視鏡検査をご検討の患者様は、下記の注意点をお読みの上、お電話にてご予約下さい。
検査前の注意点等を守られていない場合は検査ができませんので、熟読下さいます様お願い申し上げます。
ページ下部に検査の詳細を記してあるダウンロードファイルもございますので、必要な方は印刷してご利用下さい。
経鼻内視鏡とは
金町内科クリニックでは、患者様の検査中の嘔吐反射を軽減するために経鼻内視鏡を行っております。
経鼻からの検査では反射を起こす舌根部を通過しないため、反射を少なくする事ができます。
鎮痙剤や睡眠剤を使用しないので、検査終了後すぐに帰る事ができますし、車の運転にも支障がありません。
また、ご希望の患者様には睡眠薬を点滴し、検査することも可能です。
その場合は検査終了後、約1時間休んでいただきます。
こだわり
私はこれまで、多摩市の田村クリニックで毎日10件程度の内視鏡検査と、神戸製鋼の胃内視鏡検診に従事してきました。神戸製鋼の内視鏡検診では、毎日20から25件の検査を、東京、西日本の7つの工場と東京本社の内視鏡検診をして、多くの早期胃がんを見つけるとともに、ピロリ除菌治療を通して、胃がんの予防に努めてきました。
田村クリニックでの早期胃がんは、NTT東日本関東病院で治療をしていただき、開業したヴィナシス金町内科クリニックでも、NTT東日本関東病院の連携病院に内視鏡治療をお願いすることが多いです。
経鼻内視鏡は反射が少ないため、ゆっくり観察ができ、早期の胃がんを見つけることができます。
患者様におきましても、検査後の眠気などなく、苦痛も最小限です。
内視鏡のフォローアップを続けることができるので、胃がん発見、予防のための最適のツールであると思います。
経口内視鏡で辛い経験をされ、ピロリ感染も放置され、内視鏡的なフォローアップを受けず、症状が出てからクリニックに来られ、進行がんの状態で見つかる方も多くいるようです。
本院では、経鼻内視鏡で解像度が非常に良い、フジのレーザー内視鏡を用意しております。
ただ、この内視鏡の口径が5.9mmで約、10人に1人が入らないか、痛い思いをしないと挿入できません。/そこで本院では、口径4.9mmの極細径経鼻内視鏡も備え、鼻腔が狭い人にも対応できるようにしました。
極細径の経鼻内視鏡でも解像度はよく、視野角は狭いものの5.9mmの経鼻内視鏡と同等の画像であります。
この内視鏡でも経験上100人に1人ぐらいは挿入できず、経口で検査する方もいます。
必要でしたら、睡眠薬を点滴し経口や経鼻からの検査することもできます。
希望の方は、経鼻内視鏡で、睡眠薬を点滴しながら検査することもできます。
院長 木村一史
内視鏡システム
上の機械は通常光源用で極細径の経鼻内視鏡用だけに備えております。
真ん中の機械はプロセッサーで画像処理し出力するものです。
下の機械はレーザー光源であります。
大腸内視鏡もレーザー光源の拡大内視鏡を使用します。
経鼻内視鏡
上は口径5.9mmのレーザー経鼻内視鏡で下は極細径口径4.9mmの通常光の経鼻内視鏡、鼻腔が狭い人は極細径内視鏡を使用します。
ボールペンと比較してください。
内視鏡検査風景
内視鏡画像を見ながらでも、また、リラックスするためにテレビの風景と音楽を視聴しながらの検査もできます。
早期がんを見つけるためには、まず患者さんにゆったりと検査を受けてもらう必要があります。
胃の中に空気を入れて膨らませないと胃の粘膜の細部まで観察できませんので、おなかが膨らみゲップが出そうになりますが、短い間我慢してもらう必要があります。
胃の病気
上部消化管
逆流性食道炎
胃酸が食道に上がってくると食道と胃の境のあたりの食道側に炎症を起こすのが逆流性食道炎です。
炎症の程度によって、LA-m・ LA-A・ LA-B・ LA-C・ LA-Dとランク分けされています(ロサンゼルス分類といいます)。
右に行くほど重症です。 LA-B以上は治療が必要で、胸やけなどの症状がひどい場合は内視鏡所見が軽度でも内服薬が必要です。
写真は逆流性食道炎LA-Bになります。
逆流性食道炎の原因としては食道裂孔ヘルニア(食道の出口の括約筋が緩くなり胃液が逆流してしまう)や肥満、食生活などがあります。
機能性デスペプチア
胃の検査では異常が見られないが、胃痛や吐き気が続く場合があります。ピロリ感染がある場合は、除菌治療することにより症状が軽減することがあります。ピロリ感染がない場合、胃酸を抑える薬、胃の運動を改善するこすりなど効果がある場合があります。以前内視鏡検査を受けていれば、アコファイドという専門の薬が処方できます。有効率は半分ぐらいです。精神的なことが関与する場合があり、上記の薬で効果がない場合抗うつ剤など効果がある場合があります。
慢性胃炎 胃がん
ピロリ菌が原因です。ピロリ菌ページをご参照ください。ピロリ菌除菌と定期的な内視鏡検査が必要です。ピロリ菌で炎症が起きている粘膜からでる癌は未分化型癌が多いです。未分化型癌というのは転移しやすい癌でスキルス癌もその一種です。ピロリ菌の感染が続き胃の粘膜の萎縮変化のある粘膜から出てくるのは分化型癌が多い。分化型癌はゆっくり進行する癌で胃の粘膜内に5年ぐらいとどまりますので、その間に発見できれば、内視鏡で治療が可能です。
胃潰瘍 十二指腸潰瘍
ほとんどはピロリ菌によるものですが、痛み止め、抗血小板薬で、潰瘍を作ることがあります。このような薬を内服するときは予防のため粘膜保護剤、制酸剤(PPI)併用が望まれます。慢性関節リュウマチなどで、どうしてもこのような薬を中止できなく、制酸剤など効果がないときはPG製剤(サイトテック)で治療することもあります。
胃アニサキス症
主にサバ、サンマやイワシなどの白身の魚やイカなどに寄生しています。最終宿主はクジラやイルカであります。新鮮な魚を生で食べるとアニサキスが胃の中に入ってしまいます。アニサキスは胃の粘膜に深く頭を突っ込み、数日間生存します。生存している間、激しい心窩部痛があります。内視鏡で取り出せば痛みはなくなりますが、取り出しても痛みが続くときは、アニサキスが残っている可能性があります。これまで、一人の患者さんで7匹のアニサキスがいた例を経験したことがあります。
刺身を酢でしめてもアニサキスは生きているので安心できません。
内視鏡の鉗子でつまんで取り出しますが、頭の部分を鉗子で摘まんでこないと虫体の頭部だけが粘膜内に残ってしまう可能性があります。
検査の流れ・注意点
午前中の胃カメラ検査の場合
前日の食事
- 食事は消化の良いものにして下さい。
- 午前9時前の検査の場合は、前日午後7時以降の食事は控えて下さい。
- 午前9時以降の検査の場合は、前日午後9時以降の食事は控えて下さい。
当日の注意
- 当日の朝食は摂らないで下さい。
- 水、日本茶、ポカリスエットなどは検査前まで飲んでも構いません。乳製品は胃の中で凝固しますので、摂らないでください。
- 血圧の薬を内服中の方は、早朝にコップ1杯の水で薬を服用し、更にコップ1杯の水を飲んで下さい。
- 糖尿病の薬を内服中の方は、糖尿病の朝の薬は服用しないで下さい。
午後からの胃カメラ検査の場合
- 朝食は消化の良い、軽い食事をして下さい。
- 検査の2時間前までは、ウイダー inゼリーなどの栄養ゼリーなどは摂っていただいてもかまいません。摂った後、十分な水分も摂ってください。
- 水、日本茶、ポカリスエットなどは検査の前まで飲んで構いません。昼までに、500ml以上のポカリスエットなどの水分を取ってください。
- 乳製品は胃の中で固まってしまうので摂らない様にして下さい。
- 朝内服薬のある方は 通常とおりに内服してください。昼の薬は取らないようにしてください。
注意
- 逆流性食道炎の薬を内服(2週間休薬しないと内視鏡によるピロリ検査できない場合があります)
鼻出血した場合
経鼻内視鏡ですので鼻出血することがあります。
出血時は滅菌ガーゼを鼻孔の奥に詰めて止血しますので、ガーゼは1時間後くらいにとって下さい。
検査後の注意
- 喉に麻酔がかかっていますので、検査後40分くらいは飲食をなさらないで下さい。
- 生検を行った場合、その日は消化の良いやわらかい食事を摂り、飲酒は避けて下さい。
- 生検の結果は約2週間かかりますので、2週間後に来院して下さい。
- 検査後に体調がおかしい場合や、ご心配な事がある場合にはご連絡ください。
- 睡眠薬を使用した場合は、その日は車や自転車の運転をしないで下さい。
費用
項目 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | 自費 |
---|---|---|---|---|
胃内視鏡検査 (観察のみ) |
1500円 | 3000円 | 4500円 | 12000円 |
胃内視鏡検査+ 組織生検(1臓器) |
3000円 | 6000円 | 9000円 | |
胃内視鏡検査+ 組織生検(2臓器) |
4500円 | 8500円 | 12500円 | |
胃内視鏡検査+ 迅速ウレアーゼ(ピロリ検査) |
2000円 | 4000円 | 6000円 | |
胃内異物除去 (アニサキス等) |
4500円 | 8500円 | 11000円 |
※こちらの料金は目安となります。(診察代、採血代などは含まれておりません。)
保険を使わず睡眠剤を点滴し内視鏡検査を受ける場合は15000円になります。
※患者様によって使用する検査薬剤等が異なりますので多少の前後がございます。
葛飾区の胃癌検診(胃内視鏡検査)も受けれます。検査費用1000円のほかに生検した場合保険にて費用が掛かります。
胃カメラ案内(経鼻内視鏡受けられる方へ)
経鼻内視鏡検査検査の説明です。
胃カメラ案内 (2).pdf / PDFファイル 268.6 KB